2014年3月26日水曜日

第8話 国内系証券会社 債券営業デビュー!

在籍していた都市銀行のディーリングチームメンバーに「宇宙戦艦ヤマトのテーマ(←2次会カラオケの最後の曲はいつもコレ)」で涙&鼻水グチャグチャになりながら送り出され、とうとうキタ~~、証券会社!!!そして初めての営業職!

オイラにはミッションがあるんだ、送り出してくれた人たちに報いるためにも初日からガンガンやるんだ!!かなり気負って乱入したのですが、「あれ~、なんか静かだよ?証券会社って、もっと立ち上がって、怒鳴ってるんじゃないの???」 それは昔の時代みたいで現在は大声で取引してる人はかなり少ない(それでもオイラは最後まで大声でやってたけどね・笑)。

仕事は見ること聞くこと新しい!債券業務における銀行と証券の大きな違いは、顧客向けのマーケットメイク業務。銀行はマーケットメイク機能を持てないので、債券市場の他の投資家が何をやっているのか直接見ることは出来ない。しかし証券会社はマーケットメイクが生業なので当然色々なフローが見える。

営業マンとして様々な投資家さんを担当して、毎日夢中になって勉強した。債券の営業経験はなかったので、営業トークは①自分の相場観をぶつける、②自分なりの分析、情報をお届けする、③独り言をメールする。この3つしかなかった。

余談だが、「独り言」は1999年くらいからスタートしました。当初は自分の相場観を語る(=ポジショントーク)ツールでしたが、この時初めてお客様への情報提供ツールとしての機能が加わります。

債券営業の基礎をまったく知らないので、お客様にとっては珍しいタイプの営業だったようだ。それでも一部の(物好きな)お客様から可愛がっていただき、時々JGBのお引き合いなんかを頂戴して嬉しかった。

結局円金利営業を11年近くやったが、最後までこの営業スタイルを貫き通した。そういう意味で営業っぽさの薄いセールスだったと思う。相場好きにファンドマネジャーも営業も関係ないというのが信念で、極端に言えば顧客>証券という考え方に否定的だった。

当然お客様には心から感謝していたし、お客様のニーズにあったサービスを最大限提供することを第一に考えていた。でも「顧客第一主義」と「お客様は業者よりエライ」というのはまったく違う。だってこの関係ってパートナーであるべきでしょ。対価の支払いのタイミングにずれはあっても、お互いに対価を受け取っているわけですから。この話題になるといらん事を言いそうなのでこの辺にしておこう(笑)

この時初めて担当させていただき、証券業を卒業するまでお付き合いいただいた方が沢山います。そういう方々とは本当に気持ちよく仕事をさせていただきました。そして沢山のことを教えていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

それでですね、ようやく本題に戻るのですが、話は駆け足で進むのです、、、なぜ駆け足かって???この証券会社が、それまで在籍した都市銀行の子会社証券に営業譲渡になっちゃうのです。しかも移籍からたったの8か月で(笑) 出戻り扱いになるオイラには戻る場所がなく、結局外部に次のチャンスを探すことになります。ブ~メラン、ブ~メラン、ブ~メラン、ブーメラン By ひでき、 若者は知るまい(笑)

営業を勉強してディーラーに戻ることを希望していた訳ですが、どの証券会社もカスタマーディーラー経験のないオイラをディーラーとしては雇ってくれません。そこでディーラーとしての夢を諦め、JGB営業として就職活動を開始することに。あっさり諦めたように見えますが、営業をやってみて、相場好きに営業もディーラーも関係ないと悟ったのです。加えて、オイラ、ディーラーとしては屁タレだったので、ディーラーに戻ってたら長続きしてなかっただろうな。

この転職活動時に嬉しかったのは、外部懇親会で知り合った方々がいろんな証券会社を紹介してくれたこと。外資系を含む8社の証券会社と面談(=前回同様、オイラに何をさせてくれるの???というフィールド調査)し、英語も喋れないのに欧州系の証券会社への移籍を決めた。

「オイラが外資系?」大学を卒業するとき考えたこともなかった。紹介してくれた沢山の人たちは「英語なんてできなくても、オマエなら絶対やれる。」と根拠のないリコメンドをしてくれた。この励ましにおされて外資系を選んだのですが、この人たちもオイラがここまで英語を喋れないとは思わなかったのだろう(笑)

たったの8か月だったけど、最初の証券会社で身に着けたことは視座を変えるという技術。同じ市場(円金利市場)を都市銀行と証券会社という違う主体から見たら、それぞれのサイドから見たものとは別次元の発想ができるようになった。これに加え、様々な投資家の視座も営業トークを通じて学ぶことが出来た。能動的に視座を変えると、いろいろなアイデアが浮かんでくる。都市銀行に残っていたら、(少なくともこのタイミングでは)この技術は身につかなかったと思う。同じプロダクトを異業態(銀行VS証券)、異職種(ディーラーVS営業)から取り扱うという経験に恵まれて偶然身についた副産物である。

そこでボンヤリと浮かび始めたのが、証券人生のゴールに向けて追及し続けた【OneBook構想】。それはまた後日お話しますね。


9話は外資系証券会社に紛れ込んだ日の丸特攻隊です。

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