2014年4月9日水曜日

昨日の日銀金融政策決定会合後の黒田総裁会見

従来会見と比べ心構えに変化があるかとの質問に対して「ネクタイの色を考えた」と答えた。
 
昨日の黒田東彦日銀総裁の金融政策決定会合後の記者会見はサプライズだった。その中で同氏の異次元振りを再認識させられたのは冒頭のコメントである。以下は箇条書き的に、、、


「2%の物価目標を達成できると確信する」
「現時点で追加緩和を検討しているわけではない」
「上下双方向のリスク要因を点検し、必要ならば躊躇なく調整する」

「逆方向の調整の余地もある」
「硬直的に追加緩和を含め一切考えていないと言っていない」
「いま追加緩和や出口を議論することはない」


「従来同様、目標達成の確信を持っている」
「雇用は想定以上に改善している」
「労働市場はかなりタイト化し、最近の賃上げにもプラスに影響、物価上昇率を押し上げる要因にもなっている」
「賃金もベースアップを含め上昇」
「労働市場は今後も極めてタイトな状況が続く」

「需給ギャップが大変重要なポイント」
「ゼロに近づいているか、ほぼゼロに近い」
「需給ギャップが縮み、物価・賃金が押し上げられる力が強化され、人々のインフレ期待が上昇するのが大事」

3月短観では企業の物価見通しを「市場関係者より強い見通しが出た」
「物価が上がれば他に何も考えなくてよいわけでない」
「経済が順調に上がっていくなかで、安定的に人々のインフレ期待が2%に収れんするのが望ましい」

「中期的な潜在成長率はかなり低く1%にも達していない」
「1%台まで引き上げていくことは極めて重要」
「恒常的に(経常収支が)赤字には簡単にはならない」


1997年の消費税引き上げ時は、アジア通貨危機や国内金融機関の破たんが相次ぎ、「今回は状況が全く違う」
増税の影響を考慮した政策判断を「あらかじめ決められたスケジュールで行うことはない」

総裁はリスク要因として、これまでに引き続き「新興国・資源国経済の動向、欧州債務問題の今後の回復ペース」
「市場ではこれ以上高まらないと思っているが、十分注意する」
「貿易や投資にどう影響するか留意が必要」




今回の黒田総裁の会見要旨から当方は以下のように考える。消費税増税から3か月程度で追加緩和を実施するというマーケットの勝手な思い込みを、BOJはニュートラルに戻したかった。

増税直後のタイミングでこれを言うか?と、個人的にはサプライズだった。しかしそれと同時にバックワードルッキングが嫌いな現BOJらしいコメントでもあり、ヤラレタ感が強い。

しかし、今回のタイミングでこれを言うくらいなら、2月の貸出増加支援資金供給制度の【拡充】はやらないほうが良かったですね。それもこれも含めて、Unknownな異次元振りを印象付けたかったのだとしたら、もうお手上げ!

昨年の4月によくコメントしましたが、「現行のBOJは我々がよく知っている日銀ではない」 今回の会見は、改めてそれを肝に命じるイベントでした。

要注意箇所として
日銀の物価、雇用に対する判断は強気。
増税の影響を考慮した政策判断を、決められたスケジュールで行うことはない。
新興国、欧州債務問題に言及。


新興国不安を【理由】に追加緩和に動く可能性はもっているだ。そして増税の影響の見極めは、いつ、何をもってやるか分からないのだ。
マーケットにとっては思わぬタイミングで冷やし玉が降ってきた形だが、日銀は何もせず(=緩和および示唆)、オプションをGETした形。やっぱりこの人たちは異次元だ。

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