2014年2月24日月曜日

JR大阪三越伊勢丹の迷走

ちょっと前の話になるが、大阪駅前の百貨店激戦区において後発組として葛藤していたJR大阪三越伊勢丹(JR西日本60%、三越伊勢丹40%)が事実上の縮小撤退を決断した。開店から3年経過し、黒字にならないまま今回の決定に至ったわけだが、正直ロスカット遅すぎという感じですね。

同店を運営していたJR西日本伊勢丹は、JR西日本60%、三越伊勢丹40%の合弁会社。最終局面の報道を見ていると、JR西日本側と三越伊勢丹側双方から正反対のメッセージが流れてきたりして迷走そのものだった。

ここで面白いのが、いかにも動きの遅そうなJR西日本が「早めの梃子入れ」を主張した一方で、三越伊勢丹が過去の成功事例(新宿)にこだわってロスカットが遅れた点である。三越伊勢丹はこの店舗が直営だったとしても同じ判断をしたのだろうか?だとすると①2008年の三越&伊勢丹の合併で企業風土の融合が進んでいない、②新宿の成功体験(自主編成売場拡大路線)にしがみついている、と見ることができる。

合弁要因であれば三越伊勢丹側から早々にロスカット宣言が出るべきだった。しかし逆のメッセージがだされていたところを見ると、どうしても①の可能性を勘ぐってしまう。人事などを見るに伊勢丹出身者の優遇は明らかであり、今回の顛末は「三越側の思い入れが強かった大阪に、伊勢丹出身の経営陣が伊勢丹流戦略を導入した手前、失敗を認められなかった。」ということが類推される。

私は伊勢丹流の店舗戦略&フロア構成は見事だと思っていた。それだけにこの結果は非常に残念。それ以上に、過去多くの大企業が優れたブランドイメージを大切にするあまり、その努力のベクトルが顧客でなく内側に向いていった事象と重なって見える。

本日「雪印事件」に関する本を読んで、なんとなく気になってコメントさせていただきました。

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