2014年7月16日水曜日

「リーマンショック」の定義

このブログでは3回目かな? DAILYコメント時代をいれると5-6回書いてるような気がするけど、メディアも世間も先生も(笑)「リーマンショック」という言葉をきちんと理解していない。

2008年9月からの景気のスラックを説明する際、便利な言葉として「リーマンショック」という言葉を使う人が多いけど、その多くが本当に意味を理解していない。


さっきウィキペディアを見たら、結構いい説明を書いてるので驚いた。下記は当方のGreens'Pedia(通称Grepedia)


よくある勘違いポイント

・リーマンがサブプライムの巨額アレンジャーかつ仕掛け人的なことを語る方が多いが、それは間違い。というかリーマンは明らかに後発(だから損失が大きかった)。
・ショック後の円高で日本の電機メーカーが機会損失を被ったという人も多いが、これは半分以上不正解。ただしくは「安全通貨の円に投機マネーが流入し
相対的に売られた新興国通貨とのバランスで、ウォン安円高が発生し、その影響で韓国メーカーなどが台頭した。(ドル円だけで説明する人があまりにも多いので、それは大局を見ていない表現です。)」
・その後の金融パニックも全てリーマンのせいにしていますが、「リーマンはきっかけであり、モメンタムを作った訳ではない。」これを作り出したのは、ショック前までの世界中の投機資金。彼らが①サブプライムローンを含む、高リスク証券化商品に投資していた、②新興国通貨をロングしていた、③株をロングしていた、④コモデティーロングにしていた、⑤世界中が同じ方向を向いていた、、、、

「振り返ったら、後ろに道はなかった。」ということなのですよ。何度もいいますが。僕はね、歴史認識が間違ったまま残るのが嫌なのです。だから下記に5月のコメントをコピペします。



Grepedia: 「リーマンショック」
2008年9月15日に米国大手証券会社(当時世界第4位)であるリーマンブラザーズ証券がチャプター11を申請し、実質的に破綻した。その影響でリーマンをカウンターパーティーとしたデリバティブ取引が履行不能になり、多くの金融機関が取引のカバー(復元)に走った。その影響で世界中の金融市場が乱高下を繰り返し、株、為替、債券、オンバランス、オフバランスともにボラティリティ―が急上昇した。ボラティリティ―の急上昇は投機資金のみならず、世界的な投資資金の総すくみ状態を生み、信用創造の源泉であるレバレッジが急低下した。簡単にいえば銀行が金を貸さなくなったという事である。
この影響から世界各国で経済の急縮小が発生し数年間に及ぶ世界経済の長期低迷をもたらした。

この現象を総称して「リーマンショック」と言うが、厳密には「リーマンショックを起因とする金融システム不安が巻き起こした世界経済のスラック」という表現が正しい。

金融機関の方々は、何を今さらという感じでしょうが、金融の常識は社会の常識ではないのです。伝えるべきことはきちんと伝えておかないと、後々の教訓にならないからね(笑)

一般の人向けにもう少し付け加え。

そもそもリーマンショックが発生する引き金となったサブプライムショックとは、
1. レバレッジ
2. 証券化
3. 格付けバブル

この3点セットがあって初めてなりたつものです。そしてこれらを提供したのは、中央銀行、政府当局、証券会社、格付け機関、投機資金。

『これらの共同作業だったのです。』

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