2014年9月9日火曜日

公的金融【静かな膨張】

本日日経新聞5面に掲載されていた「公的金融【静かな膨張】(上)」を読んだ印象。

当方は従来より、「公的金融機関は民業を圧迫すべきでない。」という立場だった。しかし民間金融の現場から離れ、金融村を冷静に見つめると、「公的金融はもう少し強化してもいいのではないか?」という立場を取るようになっている。

それは、

1、国内金融市場を俯瞰すると、間接金融に依存した日本型金融モデルが更に強くなっている。
2、間接金融の中でも、旧長信銀の消滅により、より短期資金融通に傾斜した間接金融比率が高まっている。
3、政府系金融は一時期まで縮小路線にあり、長期成長マネーの供給者が減少している。
4、民間金融機関は国内でのリスクテイクよりも、海外への道を模索している(リスクレベルを落とした信用供与には二の足)

このような環境下、資金供給パイプが民間金融機関に偏ると、なんらかのショックが発生した際に、予想外の信用収縮がもたらされ、金融市場全体に急速なシュリンクを巻き起こす可能性がある。

そこで期待されるのが、安定的な①信用、②長期資金、を提供できる政府系金融機関なのではないか。当然、彼らの資金源の多くは、直接、間接に税金であり、投資(融資)責任は問われる。しかし、市場との対話と言う意味では、株式会社である民間金融機関ほど繊細な対応を迫られることもない。

ようはある程度大胆に動けるわけです。

こういうことを書くと、民間金融機関の人たちは怒るんだろうな。だって、半年前の自分だったら、怒ってたもの(笑)

ただし問題がない訳ではない。長信銀の消滅や公的金融機関の縮小は、その運用方法に大きな問題があったからである。

1、特定分野への重点融資。
2、人的つながりによるグレー融資
3、所管省庁からの圧・・・(以下自粛)

理想論だけ言えば、性善説に基づいた運営がされれば、それでOKということです。

明日は後編(下)が掲載されるのね、何を言うのか楽しみだ。

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