2008年10月6日月曜日

温故知新

邦銀に勤務していた10年ほど前、支店から本店市場部門に異動した。当時の支店のノルマは①優良企業向け貸出増強②不良債権予備軍の保全強化(追加担保取得交渉)③不良債権回収。景気対策の一環として実施された信用保証協会の融資枠拡大なども大いに利用され、その後各地の保証協会(公的保証機関)に大きな焦げつきを残す結果となった。その頃は、貸出総量は減少傾向にあったが、いわゆる付き合い貸金が減少しただけだったように記憶する。少々脱線したが、ここで何が言いたかったかと言うと、非常に重要なのが政府による信用緩和的措置。保証協会の保証枠拡大は、リスクを取れなくなった民間金融機関の穴を埋め、市中企業(特にレーティングの悪化する企業)の資金繰りを補完した。もっともここでは、残すべき企業と、退場すべき企業の選別がされず、景気低迷を長引かせる一因となったことには言及せず、初期対応として極めて有効だったことを評価したい。極論として、速攻性があるのは、日銀が無担保で資金供給すること。しかし(それを実施することによる)中央銀行の信用毀損、モラルハザードなどが懸念され、日銀は信用緩和的措置として非伝統的資産の担保化から買取にまで足を踏み入れていく。。上述のような日銀の信用緩和は、徐々に民間金融機関のリスクアぺタイトを健全なものにしていったわけだが、確かに時間はかかりすぎたように感じる。もっとも、本当に時間がかかりすぎたかは、今回の欧米の金融システム不安の解消の行く末を見極めるまでなんとも言えませんが、、、(もっとも。。。10年以上かかったら、我が家は破綻します)

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