2008年10月6日月曜日

欧米プレミアム

10年前は邦銀の外貨調達が困窮し、インターバンクをはじめとした調達市場で、邦銀に対する超過利息を求める時代がありました。それこそ、、、公定歩合0.50%の時代に外銀が0.60%で3ヶ月物を調達する中、都銀が2.00%近辺で調達するなんていうのもザラです。ネーム(個別金融機関)によって調達レートもバラバラだったのですが、外資系金融機関の調達レートと邦銀の調達レートの差や、Libor(ロンドンでの最優良行向け貸出しレート)とTibor(東京での最優良行向け貸出しレート)の差を総称して"ジャパンプレミアム"と呼んでおりました。そして今回発生しているのが"欧米プレミアム"。欧米金融機関の破綻ラッシュで、市場は疑心暗鬼になっており、各金融機関は手元流動性を厚めに確保すること躍起になっています。短期金融市場は、様々な形態であることから、通常であれば資金偏在によって発生する金利差は、裁定プレーヤーが"低い金利で調達して、高い金利で運用する"というトレードを実施することにより、このようなプレミアムは解消されるわけですが、極度のリスク回避からこのような裁定トレードを手控えさせる形�となり、このような状況に陥っております。主要中央銀行の連日の資金供給により、市場には資金がだぶついているように見えますが、結局はBadネームに無担保で資金を供給するプレーヤー(含む政府、中央銀行)が現れないと、このような目詰まりは解消されない。それが長期資金、資本性資金であれば、なお好都合なのでしょうが、資本調達環境の悪化から米系金融機関が潰れたりしているのは皆様よくご存知の通りでして、問題の根は深い。中央銀行→市中金融機関→民間企業&個人、という資金の流れを考えると、この状況下で中央銀行→市中金融機関への資金(資本)の融通をすべきは政府、中央銀行、市中金融機関→民間企業&個人への資金を融通もしくは補助すべきは政府という事になるのでしょうか。日本の信用保証協会枠の拡大などは、この後者にあたるわけですが、米国金融安定化法案に川下の政策が盛り込まれなかったのは個人的には残念。川上の目詰まり解消に、無担保資金供給がなければ、川下への水の流れは緩やかな増加に留まり、その増加が川下の火災を沈下される量に満たなければ、残念ながら川下は砂漠になってしまう。メディアでは”10年前の日本よりも米国の対応は早い”ともてはやしておりますが、一概にはそう言えないという事です。

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