2008年10月13日月曜日

ブランディング

母校でブランディングに関する講演を聞いてきた。ご高齢のOB、OGも多数含まれていたため、一般論に終始する内容ではあったが、予想外に各方面で諸先輩方がご活躍されているのを知って驚いている。
企業活動としてブランド戦略が意識され始めたのは、20~30年くらい前からでしょうか?最初はファッション業界からだったように思いますが、その中でも業界をリードし続ける存在は伊勢丹だったように思います。最近では金融~製造業にいたるまでブランディングを重要視する企業が増えていますが、ここで重要なことはブランディングの意味。ブランディングとは、原義では「烙印を入れること」で、欧米で仔牛の識別用に焼印をいれるのは有名な話。
それが昨今では、経営・販売上の戦略として,ブランド構築、会社・商品・サービスなどについて,他と明確に差別化できるイメージを築く事として汎用されている。私が大切に思っていることは、企業戦略として使用されるBrandingは原義の『烙印を入れること』となってはいけない、という事です。企業イメージが固定化されることは、繁栄を望まない企業にとっては悪くないと思うのですが、株主、社員のために繁栄を目指す企業にとって、必要なBrandとは創造的発展、変化の出来る組織哲学であるように思えるからです。そのことを、オシム前サッカー日本代表監督は、『考えながら走るサッカー』と非常に分かりやすく表現しました。伊勢丹が百貨店業界をリードし続ける力は、『次のトレンドを見つける、作る、楽しむ』そんなブランドイメージを作り上げたところにあるのではないでしょうか?
本業から離れましたが、金融業界はここ数年間、レバレッジ経営のもと、大切な信頼構築をおろそかにしたように思います。多くの経営者はこう考えました、『他社よりも儲けること=自社ブランドの確立』。そして、多くの従業員が勘違いしました、『儲ける社員=会社の役に立つ社員』。そして経営者もこの考え方を高額給与で励行してしまった。それを外から見ていた株主、お客様はどう考えるでしょうか?大方は『私利私欲に走り、リスクを取り過ぎた挙句、大損失、、、そんな会社に税金を投入して救済するなんてナンセンス』、普通はこう考えますよね。まずは原点に返って、株主、お客様に対し”信頼回復”を主眼に置いた、イメージ戦略をすすめるべき時期なのではないでしょうか?

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