2016年4月12日火曜日

中国中小企業債務問題について

昨日、中国の李克強首相は地方政府の首長との会合において、『地方政府は、中小企業の支援を目的とした減税の実施や行政手続きの簡素化を続けるべき』と述べた。

そして鉄鋼・石炭産業の過剰設備削減や企業債務削減支援に取り組む必要があるとの考えを述べた。

1年ほど前から明確なメッセージとして発信し始めた『ゾンビ企業の整理・淘汰』の推進である。今回は債務削減にデッドエクイティスワップなどを活用するなど具体的なメッセージが盛り込まれている。

国家主席と首相のパワーバランスが崩れ始めているという見方もあり、李首相の発信した内容がどこまで実行力を伴うのか分からないが、この対策は日本の失われた20年をよく研究していると思う。

中国マクロデータの信ぴょう性には、国際社会から疑問符がつけられている。前国家統計局長である馬氏の時代(2008-2015)は『統計改革(正常化)』を推進し、経済データは徐々に正常化(≒成長率低下)していきましたが、王保安氏が就任してからは逆戻りしてしまいました。そしてこの王氏も、本年2月重大な規律違反(汚職と思われる)で失脚してしまった。この失脚が、良かったのか悪かったのか分かりませんが、相変わらずゴタゴタしている訳です。

少なくとも、『盛り気味』に成果を申告(アピール)する地方政府が多い中、中国の(特に地方の)中小企業が、3つの過剰を抱えているのは間違えないことだと思います。それは雇用、債務、設備の過剰。

このキーワードは日本のバブル時代と同じ。そして不動産バブルが発生している点も日本と酷似する。ここまでは語りつくされたストーリーだ。

ここで大きく違う点は債務の質。日本の与信構造が『銀行(商工)融資』に偏重していた一方、中国の与信構造は複雑骨折している。どんな状況かというと、

  • 対外債務がある(日本はなかった)
  • 社債調達が多い
  • 銀行融資もある

社債においては少々古いデータだが2103年末段階で4兆ドルを超え、10年間で9倍に増加した。即ち、債権者が散らばっているのである。

リーマンショック(←面倒なのでこの言葉を使っていますが、正確には『リーマンブラザーズ破綻をきっかけとした国際的な金融システム不安と、それに伴う世界景気失速局面(過去の独り言をご参照ください)』)が、証券化とデリバティブを介して債権者が散らばっていた現象と考えると、中国はそのオンバランス版と言ってよい。

債権者の散らばり方およびインパクトという意味では、

中国>リーマン>日本バブル破綻前

という感覚かな?

オンバランスでも十分な破壊力があるのである。しかも対外債務があるのが味噌で、『(もう既に始まってるけど)やばくなったら、中国から資本逃避する資金』が沢山あるということ。即ち『バランスシートが風船が萎むように急縮小する可能性がある』ということだ。

だから李首相は唾を飛ばして、『設備廃棄と債務削減』を指示した訳だ。

残念ながらこの事象は、金融市場の動きや、マクロデータから推計することはできない。金融市場においては投機家のディーリングで、『社債デフォルトだ~~』と叫んで時々ジェットコースターのように信用スプレッドが拡大するが、これは基本的にファストマネーの動き。そしてマクロデータは前述のようにまったくあてにならない。

ようは、、、『Don't touch in danger!!』

中国関連銘柄、元建て運用商品に投資する場合は、逃げやすいポジションにしておく必要がある。少なくとも申し込んでから売却まで2日間かかるような投信はダメだね。

もっともオイラが保有する新興国通貨、、、中国信用創造の逆回転が明確に始まったらやばいんだろうな。もう暫く、『笛吹けど、中小企業(少しだけ)踊る』くらいの時間帯が続くことを祈ってます。

まぁ、金融市場の全参加者(資本主義)が同じ思いでしょうけどね。

あ~書きたかったこと全部吐き出してスッキリ! 
研究活動に戻ります。

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