2015年7月12日日曜日

通信キャリアのマーケティング戦略

修論と格闘中に破損したスマホをようやく修理することに。

近所のドコモショップに行って、ケータイ補償サービスを使ってリフレッシュ品をいただくことにした。このサービスは毎月400円くらいを支払う代わりに、破損時には5000円で新品同等の同じスマホを自宅に届けてくれるサービス。

オイラは2年前に使ったきりだったので、今回は4500円でいいらしい。しかも届くのがナント、【明日!】

ドコモのサービスの安定感に脱帽です。

そこで考える、通信キャリアのマーケティング戦略の違い。

この補償内容は、ドコモとソフトバンクで大きく違う。正直に言って、このサービスはドコモに軍配が上がる。だからと言って、『ドコモが秀逸だ!』という訳ではない。

正直言って、このサービスは1年ごとにスマホを変更するユーザーにとっては必要のないサービスである。言い換えれば、『長期ユーザーが他社に乗り換えることなく、いかに長く利用するか』に力点をおいた施策である。よって、この観点においてソフトバンクはこの施策をとる必要がないのである。

かと言って、ドコモが『長期ユーザー、すなわちロイヤルカスタマーを増やすことに力点を置いたサービス提供をしている』訳でもない。ドコモは、全部乗せ状態でサービスを提供しており、高コスト体質を脱せずにいるのである。簡単に言えば、全方位サービスのうちの一つなのである。

ただし長期ユーザーに優しいサービス(補償、割引など)は、オピニオンリーダーを増加させることにもつながり、巡り巡っては長期的な経営の安定化をもたらすのである。単年度決算に反映されるものではないので、経営の尺度としては表れにくいが、事業戦略としてとても重要と言えよう。

修理は受付、端末受渡、移行作業など、マンパワーを必要とするサービスであり、正直【面倒な仕事】である。よって後発組の多くが力をいれないのは理解できる。しかし通信キャリアとして、ある程度のシェアを獲得した後は、このようなメンテナンスにも力を入れないと、ユーザーは容易に流出してしまう。

インキュベーションの仕事に携わり、事業モデルを考える機会が増えたが、『誰に、何を提供し、何を獲得したいのか?』これを明確にすることの重要性を再認識させられた。研究者を始めとしたユニット内のステークホルダーと話をしていると、いつしか【全部乗せ】状態になっていることがある。そういう時は、ゼロベースで、『私たちは、日本国民全員をお客様にしたいのでしたっけ?それとも、特定のヒト(企業)をお客様にしたいのでしたっけ?』と考え直す必要があります。

今週は本業ではありませんが、行きがかり上、コンサルティング業務を引き受けることになってしまった。この辺のことも肝に銘じて、訪問させて頂こうと思う。

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