2015年11月25日水曜日

大手証券 VB新投資枠

本日の日経17面の記事。

個人的には目を覆いたくなるような記事でした。まさにOh, It's bubble....

起業間もないスタートアップ中心に投資。
3年で100社以上。
IT、介護、教育分野。
日本のスタートアップの海外進出をサポート。

取り組みとしてはWelcome。でも上手くやってねという感想です。なぜBubbleと表現したのかというと、昨今のベンチャー企業はオーバーバリューされる傾向が多いからです。

ベンチャー支援業界にどっぷりつかっている人とお話しすると、「オーバーバリューはいいことじゃないか?」と唾を飛ばしますが、これほど身勝手な発言はありません。先日、学術的にも実務的にもお偉いある方から、そんなことを言われて、開いた口が塞がりませんでした。

ベンチャーの技術やサービスの価値が分からないのに取りあえず投資⇒ ベンチャーの事業がある程度成長し、別の金融機関が更に高値で投資 ⇒ ベンチャーが行く詰まって株価は無価値。。。

ベンチャー企業の9割以上が設立から10年以内に破綻か、ただの中小企業になります。すなわち株価はゼロに近くなります。そんな企業に、「Valuation」も出来ないのに投資というのはBubble時代の投資家と同じです。

株式市場の方はValuationなんて簡単!と思うのかもしれません。しかしベンチャー、特にスタートアップ段階のValuationはまったく違います。それは収益予想が立たないからです。ロジカルなValuationをするためには技術評価、知財評価、市場評価を1年後、3年後、5年後の推測をもとに立てることが必要になります。これは、既存技術であれば比較的容易な作業ですが、新規技術となると困難を極めます。すなわち、、、技術、知財、市場の現在価値を評価する能力が求められているのです。

オーバーバリューされるスタートアップが増えて、その多くが破たんするとき、償却すべき損失は大きくなります。スタートアップ投資が国内与信全体に占める割合は大したことはないので、これが経済危機や信用不安につながる事はないと思います。でもね、山高き後に谷が深くなると、次の投資には慎重になりますよね。これはベンチャー界にとって不幸なことです。

金融界の方々にはくれぐれもベンチャー企業の技術、事業性、知財、ヒトをしっかりと評価した上で投資していただきたいものです。そしてそれが出来ないのならば、①出来る人を雇うか、②バーゲンハントBIDのみ呈示するか、③投資しないという判断をしていただきたいものです。

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