いろいろな収穫のある学会出張だった。
オイラもこの業界に入るまで知らなかったが、リウマチ性疾患というのは100種類以上の病気がある。
患者数がもっとも多い関節リウマチは、国内に100万人患者がいて、薬や治療法の開発も進んでいる。20年前までは重度のリウマチで手術(関節が変更するので外科手術が必要)を要する方が3割程度いたが現在では1-2%程度まで減少している。
一方、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症、筋炎は20万人の患者がいて、潜在患者を含めると50-80万人とも言われる。残念ながら薬や治療法の開発は発展途上である。そのため病態解明、薬や治療法の開発が産学官一体となって進んでいる。そしてその濃淡にもかなりのバラつきがある。
4月からNHKドラマ、「幸せは食べて寝て待て」がスタートした。この主人公はシェーグレン症候群で、番組内では「一生付き合わなければいけない病気」として紹介されている。現在の医学では、この表現は正しい。先日患者の会に参加してはじめてわかったことだが、患者さんの生きづらさは想像を絶するものだ。そして社会的な理解が低いことも患者さん達を苦しめていると思う。そういう意味でこのドラマが始まったことは、患者さん、ご家族にとっても嬉しいニュースだと思うし、病態解明を支援する立場としても喜ばしいニュースだ。
学会に参加する医師・研究者も自分たちの仕事に光があたるのは嬉しいし、モチベーションも向上しているように見えた(もちろんこれまでも本気でやっていた訳だが、あちこちでこのドラマの話があがっていたので、きっとそうなんだと思う)。
学会のブースには沢山のユーザーの医師・研究者が訪れ、新製品であるシェーグレンセットについて説明を求められた。また学会ポスターや講演において、ベンチャーが開発した検査を活用した発表が多数あった。
どんな業界でもそうだが、新参者に距離をとる人は一定数いる。オイラ達にもそうだったが、今回は、「うちもそろそろ御社の製品を使おうと思っている。これだけみんな使っているし、これまで使っていたものは不具合があるしね。だから詳しく教えて。」と言われることがあった。
企業として初めて研究発表もした。ありがたいことに優秀ポスター賞を受賞し、国内権威のみならず、海外の権威からも高い関心をいただけた。ただの検査会社としてではなく、同じ領域の研究者として認めていただいたようで、とても嬉しかった。
創業初期(7-8年前)からお付き合いのあった先生方も次第に出世して、教授や准教授になってきた。そういう方々が、フランクに「お~~頑張ってるみたいだね。検査は普及している?次はどんな製品を開発するの?〇〇先生も使ってるんだってね。」などなど、気さくに話しかけてくれる。正直に嬉しいです。距離があると、一緒に研究を進めていくのも難しくなってしまうから。
敢えて言わせていただくと、「私たちは、まだ薬や治療法が確立していない領域の研究を推進し、少しでも早く患者さんのQOL向上を実現しなければいけない。」これはまずAll Japanでやらなければいけないことなんだ。
どこの世界にもしがらみみたいなものはある、それをゼロにはできないことは分かっている。でもベンチャーは出来る限りそういうものにお付き合いせずに、一直線に走り続けなければいけない。
本学会は来年も博多で開催。1年後はどうなってるかな。
ただやるのみだ。やっぞ!!!
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