2016年5月10日火曜日

日銀審議委員の経歴に関するひと悶着について

週刊誌ネタなのでいつもならコメントしない題材ですが、オイラの現状、ひょっとすると行く末(笑)にもつながる話なのでちょっとだけコメント。

某日銀審議委員の経歴に記載されている「博士課程修了」というタイトルが不適切ではないかというご指摘。結論から言うとグレーなんだけど、慣例で言えばセーフなんだろうね。

どういうことかと言うと、博士課程修了要件というのが曖昧で、大抵の場合は「在学中に博士論文研究指導を受ける」ことが要件となる。そして最終的に博士論文を出さず(もしくは審査が通らず)に満期(最大6年)を迎えた場合、「単位取得退学」というタイトルになる。

そんでもって、この「単位取得退学」というのが響きが悪いから、「博士課程修了」と言っているのである。

でもね「単位取得退学」というのはかなりの幅があって、「研究指導をほとんど受けずにとりあえず在籍だけして、結局のところ満期退学」というケースと、「研究指導を毎週受けて、博士論文発表のため研究に打ち込んだものの、結局研究がうまく行かず満期退学」というケースがある。

当然、後者の苦労は計り知れないのに加え、研究者としてのスキルを考えれば前者と後者では雲泥の差である(←研究者というのはプロ資格とかはないからね)。よって後者の人間が「単位取得退学」と言いたくないのは納得できる。

理系の方にはなかなか納得いただけないので、おまけに言いますと、、、博士号取得の難易度という意味では、人文科学、社会科学系は理系に比べて遥かに厳しい。理系では全体の80%くらいが博士号を取得する一方、人文科学、社会科学系は半分以上が取得できずに大学を去るのです。

それくらいチビシイ道に潜り込んでしまったのです、オイラは、分不相応にも、、、だから6年後に「通称、博士課程修了です」と言っている可能性があるので、先に軽くヘッジしておきます(笑)

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