本日の日経朝刊は、住友商事が北米でのシェールオイル採掘事業において2400億の損失を計上すると報じた。
ご存じの通り、シェールガス&オイルは、近年米国経済回復のメインドライバーとなっており、米国をエネルギーのネット輸入国からネット輸出国に変えた。オイルについてはそろそろ、世界No1の産出国になるのでは?
シェールについては、その存在自体は以前から分かっていたものの、採掘コストが高いことからビジネスにつながっていなかった。それが2000年前半頃にコストの安い水平抗井掘削技術が開発され、2000年代後半から採掘量が爆発的に伸びていった。
当時から【21世紀のゴールドラッシュ!】とも言われ、猫も杓子もシェールに飛びついた訳ですが、やはり地下の出来事、、、調査対比で採掘量が少ない、、、ということが発生したわけです。今回の住友商事はこれにあたります。
近年、日本の商社(←商社という業態があるのが日本だけなので、日本はいらないか?)の収益を支えてきただけに、他社の状況が気になるところです。
もっとも会社によって、どの程度、資源に特化していたかでパフォーマンスはかなり違うのでしょう。後発組が最後に進出(資源部門拡大)した時の経営会議を思うと、、、
CEO 「なぜ他社が資源で大儲けしているのに、当社はやらないのかね??」
資源部長 「採掘には当然リスクも伴う訳で、すでに北米だけでなく、世界中の企業が採掘に動いている訳で、投資額もかなり高くなってきている訳で、、、」
CEO 「馬鹿もーん、四の五の言わずにやるのだ。倒れるときはみんな一緒だ~~」
こんな、やり取りがあったかどうか分かりませんが、明日行われる会議では、、、
資源部長 「当社の採掘案件のパフォーマンスは、当初予定の〇〇%の採掘量となっており、損失額は〇〇〇億円となっております。」
CEO 「住友商事と比べると、パフォーマンスも損失額も良好なんだな。それなら問題ない。」
資源部長 「・・・・・」
今時、こんなやり取りはさすがにないよね(笑)
商社の事業ポートフォリオのリスクモニタリングは、相当先進的だと思うし、今回の案件は各社とも、通常のリスク管理のリミットを超えた【経営判断】で踏み切ったものだと思う。そういう意味で、他のビジネスで大きな収益が見込めない中、この事業展開は正しいと思っている。
資源村はカネと規模がものを言う世界であり、ワールドメジャーになれないのであれば、一局メジャー(ひとつの採掘ポイントの独占か主幹)をやるしか高い収益率は見込めない。そういう意味で、このスペースにチマチマした投資をするくらいだったら、「コモデティーファンドでも買っておけば???」ということになるんですよね。
個人的にリスクテイカ―として住友商事やり方は正しいと思う。だからこんな事で、リスクテイクに消極的になって欲しくないものです。
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