2008年10月18日土曜日

原油

少なくとも昨年から『独り言』をお読みの方々にはご理解いただけると思うのですが、やはり下がりましたね”原油”。下がると言い続けた理由は①コモディティー高は欧米投資銀行(特にあの米系証券)が煽るだけ煽ったやらせ相場であったこと。②(その甲斐あって、)それまで原油市場に参加していなかった投資家(年金&リアルマネー)やトレンドフォロー型ヘッジファンドが買い参入。明らかに投機的買いで急騰する相場に米国政府は静観。この2点が何を意味するかと言うと、、、投資銀行はこの20年、様々な新商品を開発してミニバブルを創造してきた。一つのバブルが終わると、相場の頂上で自己玉を売却(=利益確定)し次のバブルを作る。不動産およびローン系の証券化商品は過去に創造したバブルの中でも最高傑作だったと言っていい。そして創造側の投資銀行も自分達で煽っておきながら、”このバブルはまだ続く”と過信しポジションを膨らませてしまった。しかし、昨年中盤から不動産価格下落が始まり慌てふためく投資銀行、、、『まだ自己玉は売却(=利益確定)出来てないのに、、、次のバブルを作ってとりあえず時間稼ぎしないと。。。』排出権取引など新商品もあったが、まだまだ市場が未整備だったため、目をつけたのが原油だった。

そもそも、原油取引は結構不透明で、15兆円程度の市場規模しかないWTI価格を基準に産油国から購入、、、っておかしいに決まってるでしょ。このたかだか15兆円しかない先物市場に原油とは全然関係ない、HFとかが大挙飛来して急騰してたんですから。おまけにロンドンのある先物ブローカーが、取引所でもないのにWTIと連動する先物私設市場を形成していて、もっと小さな金額でWTIと裁定させているのだから驚き。簡単に言えば、相場を吊り上げたい人が、ロンドン時間に市場規模の小さな私設市場で、仕掛け的な買いを入れて相場を上昇させる→米国WTIはロンドン私設市場と同値でOPENし、ショートカバーを巻き込んで上昇。こんなリズムを繰り返していたわけです。こんな単純なゲームを米国は放置、容認、黙認?していたわけです。現に、今年の冬くらいだったでしょうか?下院議員からロンドンの(相場操縦の疑いのある)私設市場閉鎖を求める提案があったことを米政府は棄却していた模様。では何故容認していたのか?

答えは簡単、①産油国を儲けさせることで、サブプライムでどうにもならなくなっていた、米金融システムへのオイルマネー投入を約束。所謂バーター取引。②当然本件はドル一極集中であった、グローバルなパワーバランスを多極化へと導くものと思われるが、チェイニー副大統領がそれを先導。②については確信をもてないので、あまり突っ込まないでください(笑 このシナリオだとすれば、11月の大統領選前までには『原油が60~70ドルまで下がる』と言っていた説明がつくと思いません?

長々と書きましたが、原油上昇ストラテジーを煽った米系証券、アンタ達は立派だよ。日本の投資家さん達が真顔で言ってたもん、『原油は200ドルまで上がる。調べれば調べるほど真実味が増してくる』。当然調査資料を提供していたのは、証券会社側と思うのですが、、、そういえば200ドルまで行くとか言ってましたが、先週地味に目標水準を110ドルくらいまで切り下げてましたね。煽るときは派手で、引くときは地味に、、、そういう商売根性直してくれないかね。同業者として同じように見られたくないのでね。

畜生、、、のってきたぞ。そもそもなだ~。一物二価がまかり通るようなプロダクトをそんなに信用していいのか?原油取引は不透明と書いたけど、WTI価格で取引しているのは旧西側諸国が大半で、東側の小国なんかは1バレル25ドルくらいで輸入しているなんて話も聞く。200ドルなんかになると、プラント開発コスト面で不採算と思われていた未開発の油田開発なんかも始まって、そんなレベルが維持されるとは思わないのだけどね~。妙に需給不安を煽って、相場を吊り上げたアンタらSECに自首すべきだね。もう銀行業態になったから関係ないって?もっとも、米国政府とアコードがあったと見るのが正しいのかも。だとしたら、ここに書いたことは全てただの遠吠えだがね。。。とにかく投資家、消費者は自分の目を信じて、情報やメディアに踊らされてはいけないという事です。

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