いくつか気になる事があったのでまとめて、、、
本日日経朝刊の”韓国のハイニックス半導体7-9月期決算”報道によると、本業悪化もさることながら、他通貨建て借入のウォン安に伴う償却損、なるコメントがあり仰天!HPを拝見しても詳細記事が出ていないので、”どの通貨か?金額はいくらか?”は分からない。
しかし、他国で現地通貨調達して工場設立というモデルではなく、純粋に”中期的なウォン高を展望した、低金利通貨調達”のような気がしてならない。仕組みはアイスランドや韓国の民間住宅ローンと同じで資金フローは”円キャリートレード”。個人はこういう場合ロスカットが遅れるので、中期的な円買戻し圧力、事業法人は比較的足が速いのでこのように早めの償却や円ショート(=円建てローン)をウォンショート(=ウォン建てローン)にシフトさせたりするんでしょうね。
昨日日経朝刊の”ソフトバンク損失発生の可能性”報道によると、同社が買収した旧ボーダフォンジャパンの社債750億のデフィーザンスの結果、多額の損失発生の恐れがあるとの事。これは社債債務に対し、同残存の高格付け債券を購入しオフバランス化するデフィーザンスと呼ばれる手法。繰り上げ償還できない社債債務などがある会社が、自己資本比率向上などを狙って実施するものである。通常は国債など、確実に償還される債券を選ぶことが多いようだが、同社は外資系証券より、高格付けCDOを購入していた模様。いつ取引したのか分かりませんが、2010年に償還を迎える社債3銘柄(750億、CPNは2~2.5%)に対するデフィーザンスなので、反対側に国債を建てるとネガティブキャリーは確実。そこで高格付けのCDOでキャリーニュートラル、もしくはポシティブキャリーにして、(本来目的を忘れて)アクティブリターンを狙ったところ、予想外のクレジットパニックで残念な結果というところなのでしょうか?昨今の格付け至上主義に巻き込まれてしまった一例であり、このCDOに高格付けを付与していた格付け会社にも大いに問題あり。売った証券会社も証券会社ですがね、、、
コレは一般論ですが、コミットメントラインがくすぶり始めていると思う。コミットメントラインは、借り手企業が銀行に対し手数料を払うことで運転資金枠を確保する形態のローンで近年普及しているもの。銀行にとってはアップフロントで手数料収入を得られるメリット(実際に借り入れた場合、融資金利は別途徴収)、企業にとっては運転資金の機動的調達、緊急事態発生時の保険的意味合いがあり、平時はWIN-WINビジネスである。しかし予想以上の景気悪化ペースをうけて、コミットメントライン利用率上昇による不良債権予備軍増加が懸念される。本件はあまり詳しくないのですが、、、格下げ条項などが入っていない場合、契約満了時までは”いつでも借りれる権利”が企業側にあるはずです。契約書雛形をを拝見すると、天災、システムトラブル、異常な市場環境、破綻などのケースでは借りれない形になっていますが、デフォルト直前の”カラータイマー点滅時”は大いに利用されてしまうわけで、今後が気になります。
と、、、不安の種ばかり書きましたが、引き続きメインシナリオは”日本の比較優位な状況に変化はなく、配当重視でのリスク資産積み増し方針”は変わらず。それほど必要もないのに、追加経済対策までやってくれますしね。
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