2016年2月6日土曜日

マイナス金利のプラス面よりもマイナス面の影響が先に出ていると言うが

某紙朝刊がこんなことを仰っている、

「マイナス金利のプラス面よりもマイナス面の影響が先に出ている」

その証拠として挙げているのが、

  1. 『生命保険会社が保険料引き上げの検討を開始』
  2. 『銀行が預金金利を引き下げ始めている』
まずですね、日本語は正しく使いましょうね。1については「検討を開始」してるのであって、「マイナス面の影響が先に出ている」という現象のエビデンスにはならないでしょ。

2については既に預金金利引き下げの動きは始まっており、エビデンスとしては正しい。でもね民間への利息支払い減少分を考えると、ざっくり、、、

個人預金全体 約250兆円 × 0.01%引き下げ = 250億円

マイナス面の影響を叫ぶような問題か? 一方、マーケット面では「社債利回りが急低下し、発行市場が混乱している」、「30年債が1.05%まで低下し生保が運用を渋ってる」など、金利低下の弊害を述べている。

あなたたちは、今後住宅ローン金利引き下げがドーンと来ることは分かってますよね。

住宅ローン 約180兆円 × 0.10%引き下げ = 1800億円

個人取引ベースで考えれば、プラスの影響結構あるよね。

預金金利と貸出金利を考えた場合、前者には下方硬直性がある訳で、市場金利の低下幅をフルスライドとは言わないまでも、0.10%くらいの金利引き下げはある訳ですよ。

記事に一貫性がないのが問題。個人にとってどういうメリット&デメリットがあるのか?機関投資家にとってはどうか?利ザヤを収益源とする銀行経営は?金利市場にアクセスする主体ごとに捉えなおして書くべきなんじゃないかい?

しかしこの金利低下で運用資金が海外に飛び出していかないのが不思議。運用者側も市場が落ち着くのを待っているというのもあるんだろうけど、欧州債の上の方は同様に金利が低い。例えばドイツ債は10年で0.30%、2年債にいたってはマイナス0.50%と市場最低を更新。

まともに流動性があって、金利があるところとなるとやはり米債になってしまうのかな?もちろん金額を絞りながら、信用力が低く、金利が高いところも拾いに行くのだろうけどね。。。

銀行経営を考えると、預金ー貸出金=余剰資金の多い地方金融機関の運用難は深刻だと思う。為替のボラティリティーが多少高いうちに、オプション系の仕組債なんかが流行るのかな?トレーダーOとかは大忙しかな(笑)

外資系金融機関にとっては期初。円債以外の営業マンはスタートダッシュを狙って頑張ってるんだろうな。またいつ止まっちゃうか分からないもんね。

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