8日に発表された中国決済期間による債券レポ取引適格担保要件の厳格化が物議を醸しだしている。
ご存じの通り理財商品を始めとした中国地方部で発生している信用創造はバブルという表現が正しい。そしてとうとうこの構造にメスが入る施策が打ち出された。「従来地方政府の窓口会社が社債を発行し、地方金融機関や個人から資金を吸収。その資金を不動産投資に回す。」というメカニズムが働いていた。
これまではこの社債は適格担保だったため、社債を購入した金融機関はそれを担保にして現金化⇒新しい社債を購入というループを繰り返していた。
かかし、これが担保不適格になるのである。総発行残高は円ベースで10兆円規模とも言われており、バブル拡大にブレーキがかかるのは間違いない。
ここでね、気をつけなくてはいけないのは、
1、既存の社債がMTMで値下がりしていたり、既に償還した分が満額償還となっていなかった場合、社債を担保に資金調達していた金融機関は、「資金不足の穴埋めをしている可能性がある。」
2、1に該当しなかった場合でも、新規の信用(バブル)創造がされなくなるので、不動産神話にのっていた中国内部の経済ストーリーのアップサイドには急ブレーキがかかったと言っていい。
個人的には1がちょっとやばい気がしている。推察するに、これまでの償還危機は、借換えと言う名の飛ばしで賄われていたのだと思う。すると次の償還が到来したときに満額償還できず、投資していた金融機関は資本を毀損することになる。
その金融機関がマネーポジション(←紛らわしい表現だが、これは資金不足ということです)だった場合、この損失はデカい。資金繰りが行き詰る可能性すらあるのである。
中国当局が適格担保要件の厳格化を実施したのは判断として極めてまっとうな施策だと思う。市場はこのニュースをうけて上海市場が激しく上下する形となった。しかしこの影響は今後、次々と訪れる社債償還による実損が出て初めて具現化するものであり、市場参加者は常に注意を払う必要がある。
ただね、、、中国当局もこれくらいは分かってるから、破綻させたらいけない金融機関にはなんらかの応急処置をするんだろうけどね。でもな~~、中国って中央と地方で情報が共有されていないなんて話も聞いたことがあるし、真相はやっぱり闇ですね。
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