「比較的ハイスペックなのにOSもアプリケーションも入っていないPC」だった私は、就職なんかなんとでもなるだろう、、、と考えていた。同期がOB訪問、エントリーシート作成、コネクション活用、業界研究などなど偉そうにやてるのを斜に構えて眺めていた。
3年生の3月は春のリーグ戦に向けた選抜合宿の盛り。ほとんど東京にはおらず栃木県のゴルフ場で凍えながらゴルフに励んでいた。そんな中、部活の先輩から電話がかかってきて、「オマエ、どうせ就職活動してないんだろ。うちに来いよ。」という嬉しいお誘い。
その先輩も4月から新入社員になる人で、「うちに来いよ」なんて言う権限はない(笑)でもその会社には代々の先輩方が在籍していて、ひょっとしたら就職活動しなくていいのか???というヨコシマな気持ちが芽生える。
その会社は上位都市銀行だった。それまで就職について考えたことはほとんどなく、「最悪の場合、バイト先のゴルフ練習所で社員にしてもらう」くらいの感覚だった。まして銀行なんて「オイラには無理だろ、、」という思いが先行したが、とりあえずリクルーターの方々との面接が始まる。
この春シーズン、初めてレギュラーに選出され、レギュラー合宿で栃木と東京を行ったり来たりする生活の合間を縫っての面接。企業研究なんかやる余裕はまったくなく、頭の中はゴルフのことでいっぱい。リクルーターの方々からは毎回、「君はもう少し企業研究をしたほうがいいよ」と言われた。でもやらなかった(笑)
面接の終盤戦、いよいよ部の先輩から「オマエ、このままだと無理かもしれないぞ」と最後通告を受ける。う~んマイッタ、、、その時すでに自分は銀行で働くのだと決意してたからな。「次の面接で、なんとか這い上がってこい!」と言われ、そんな無茶な~~という心の悲鳴。
作戦を練った。オイラにはたいした業界知識はない、それなのに背伸びしたことを一杯話していた。だったら素の自分で体当たりだ。だってこれまでもそうだったじゃない!これって一般論に聞こえますが、私の場合、OSもアプリケーションもないPCだったので、話せることはゴルフだけ(笑) だったら開き直って、「なぜゴルフが好きなのか」「ゴルフで何を身に着けた(身に着けたいのか)」「ゴルフで身に着けたものが社会に出て応用できるのか」この3点に絞って喋りまくった。
そうしたらナント、評価急上昇!「オマエ、やればできるんじゃん」と先輩に言われ、『いやっ、「今自分にできること」と「自分のやりたいこと」を喋っただけで、面接的にはこれまでの方が頭フル回転で頑張ってました。』 ようは就職活動の論点をまったく理解してなかったんですね。
おかげで翌日人事に呼ばれGW前に内々定!人事の方からは「君が今年最初の内々定だ!」と言われ嬉しかったが、これにも理由がありまして、、、、、GW明けからリーグ戦が始まるので、面談の時期を無理を言って前倒ししてもらっただけ。人事的には「まぁ、採用者の平均点くらいの人材だろうから、とりあえず採用しとくか、、、」くらいの判断だったのではないか。
なぜ銀行???の部分にはあえて触れませんでしたが、ようは業務内容をよく理解していなかったのです。しかし面接の始まる前に城山三郎と高杉良の銀行小説を読んで、「銀行ってなんかデカい仕事が出来そうだな~」「資金を介在することで色々な業界を覗けそうだな~」こんな感覚芽生えた。
よく分からないのであれば、器がデカいところにいたほうが身動きは取りやすい!そんなユル~イ就職活動だったのです。この緩さが、入行当初大変なことを招くとはその時想像もしていなかった。
ちなみにまったく関係ない業界として某百貨店の採用面接も受けた。これは先輩に「少し他の業界を勉強するのと面接慣れしたほうがいい」とアドバイスされたから。ちなみにこちらの業界は銀行業界に輪をかけて、下準備ゼロ。。。おかげで喋りたい放題でサクサク上の面接に進出し、「君はうちの会社に来た方がいい」と言われて嬉しかった。途中で辞退をさせていただいたのですが、フロア戦略も含め、今でも大好きな百貨店です。
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