2016年11月22日火曜日

いきなりステーキ襲撃

初めていきなりステーキに行った。

1グラム8.5円のオージービーフをオーダーして美味しくいただいた。キャッシュバックキャンペーンで「1グラム1円バック」とか言ってるので実質的に肉の価格は1グラム7.5円だ。

メニューがグレーだと思った。国産牛サーロインステーキ(1グラム10円)、アンガスサーロインステーキ(1グラム7.5円)以外は、産地の記載がなかった(リブロース、ヒレステーキなどの記載)。

念のため確認すると「記載がないのはオージービーフです」との事だった。

一般論だから聞き流して頂戴。でも畜産事業を少しかじっている人間として一言いわせてもらうと、ヒレステーキ7.5円は国産牛サーロイン10円よりも価値があると思う。厳密に言えば国産牛サーロインの価格レンジは結構広い(例えば1グラム5円~15円)。

ご存じの通りサーロインは「牛の肉」の部位の名称だ。そして「牛の肉」には様々な種類があって、日本産、海外産、肉牛、乳牛、交雑種(乳牛が母、肉牛が父)がある。当然これはコンビネーションなので海外産交雑種なんてのもある(もっとも海外ではあまり生産しないんだけどね)。

「日本産」という珍しい表記をしたのは分かりやすく説明するためだ。「日本産」とは日本で育った牛(肉牛、乳牛)の意味である。日本人の嗜好にあった最高級の「牛の肉」は「黒毛和牛」である。こいつらは「肉として食べてもらうため」の品種改良を重ね、最高、最良のサシ、旨味を誇る。

黒毛和牛ではない「日本産の牛の肉」を総称して「国産牛」と呼ぶ。よってこの中には、乳牛と交雑種が含まれる。ご存じの通り乳牛はミルクを絞るための産業動物だ。だから乳牛の雄は産物としての価値が低い。

乳牛のメスは子供を産まないとミルクを出さない。だから生涯のほとんどの間、出産し、ミルクを出し、受胎し、、、を繰り返す。でも乳牛のオスが生まれちゃうと価値が低いので困る、だから黒毛和牛と交配させる。こうして生まれたのが交雑種だ。

文章だと分かりにくいでしょ、だから国産牛の内訳を以下に示す。

国産牛の内訳

  ①乳牛(母)に黒毛和牛(父)を交配させた牛
  ②乳牛のオス
  ③乳牛のメス(搾乳量が減少してしまった高齢牛)

少し理解が進んだだろうか?

「牛の肉」の肉質は圧倒的に父の遺伝子が反映される。だから変なことが起きるんだ。①のケースで「日本最高クラスの黒毛和牛(オス)」と交配すると、純粋な黒毛和牛並の肉質をもつ交雑種が生まれることがあるんだ。一方、②、③は完全に乳牛であり、「牛の肉」を製品とするための血統改良は一切されていない。だからまったく美味しくないのである。

だから国産牛は1グラム5円~15円ということになるのであ~~る。エッヘン!!!

焼肉屋に行ってお店の方に、

「今日は国産牛でギャンブルするか!」
「この国産牛は交雑種ですか?」
「(交雑種だった場合)種雄牛(オス)の血統は分かりますか?」

とか聞くと、、、、、





嫌がられます(爆






でも個人経営の店だったら、「この客には変なもの出せないな」と警戒されます。お試しあれ!

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