金融以外の方向けにコメントしますと、資金利ザヤとは簡単に言えば「融資金利ー預金金利」、実際の銀行経営的観点に基づいて言えば「総運用利回りー総調達コスト」ということになる。ようは銀行収益の源泉である。
銀行が困っているという事は、お金を借りている人達にはベネフィットがあるという事だ。支払利息が下がる訳だからね。でも現金なもんで、お金を借りている人は元本と利息を返済している訳で、利息がちょっと少なくなった所で、「金融緩和のおかげで、、、」とならない。
でも社債発行金利の低下なども含め、実体経済への影響はかなりあると思っている。それはアップフロントと言うよりも中長期的に好影響をもたらす。例えば5年物の社債を0%近辺で発行して、金利の高い銀行融資を返済したり、資本コストの高い株式を買い戻す(自社株買い)なんかだ。
単年度での効果は限定的でも5年間でのベネフィットは大きいし、景気が良くなってからまた株式調達するというのも財務的にはありでしょ。
それ以外にもマイナス金利の効果としてあげられるのは、余剰資金の沁み出し効果だ。ベンチャー投資には仰天するほど投資資金が舞い込んできている。
これって金融機関の方々もあまり理解していない部分があるんだけど、そもそもベンチャー投資市場(広義にはプライベートエクイティ市場)ってとても小さいんだ。日本のプライベートエクイティー市場は約2兆円。ベンチャーの年間新規投資に至っては1000億程度しかない。
一方、銀行貸出残高は約430兆円。この0.025%が染み出すだけで、ベンチャー年間新規投資額に匹敵する訳だ。ベンチャー投資をほとんどしてこなかった金融機関、技術系ベンチャーに投資してこなかったベンチャーキャピタル、異常な低金利下でハイリターンを狙うエンジェル投資家、、、みんなが少しずつこっちを向き始めたので、池の中はお金で一杯。
だから投資すべき優良案件がどんどん少なくなっていく。おまけにValuationが上がっていく。まさにバブル。
ちょっと前にあるシニアベンチャーキャピタリストに「このValuationは異常ですね。まさにバブル。」と言ったら、「Valuationが上がって何が悪い?」と怒られた。正直、アフォ~だと思ったね。
だってさ、
バブルを喜んでるならアンタは高値売り逃げを狙ってるハゲタカ、
バブルだと思っていないならアンタはただのマクロ音痴(鈍感)、
バブル崩壊まで甘んじて受けるならアンタはマゾ、
ベンチャー支援者がこんなんだから、これまでの日本のベンチャー市場は育たなかった訳だな。
さて、、、話は各方面に散らばったけど、来週の日銀金融政策決定会合はどうなるんだろう?事前報道合戦で訳の分からない展開になっている。「サプライズ」が黒田流だったのに、「予定調和路線」になっているなんて言うメディアもいるし、もう良く分からないや。
今度こそはちゃんと効くヤツをお願いしますよ。緩和ボケの目が覚めるくらい凄いヤツ、そうだな、、、「ここまでやっちゃうと、もう本当に資本市場主義が崩壊するんじゃないか?」とみんな気付いちゃうくらいの凄いやつね。全員の目が覚めて、「一人一人が考えながら走らないと、本当にヤバい」と思うような仕組みがいいね。「年金100年安心プラン」の逆みたい感じかな。
安すぎるなと思ったので久しぶりに日経先物を拾ってみた。200円くらいピックアップしたら閉じるけどね。
ちょっと疲れてるな、、、コメントが過激になっている。そろそろ研究に戻ります。
0 件のコメント:
コメントを投稿