2016年6月28日火曜日

本日の日本経済新聞「大機小機」にもの申す

何が言いたいのかさっぱりわからない。違和感のある点を列挙しよう。( 「」書きは記事抜粋)

「世界経済がリーマンショックと同じような危機に陥るかは金融システムの反応かかっている。」
⇒ 金融資本市場主義が継続することを前提にコメントしているものとお見受けする。しかし英国の問題を金融システムというメジャーのみで図ることは危険である。なぜなら本件はイデオロギー上のレジームシフトの可能性を秘めているからである。なお同紙は本問題を「グローバリゼーション対ポピュリズム」と捉えており、その観点からも本主張には違和感を感じる。

「これらが顕在化してカウンターパーティーリスクを引き起こせば、世界は金融危機の再来に直面するかもしれない。」
⇒ 『カウンターパーティーリスクを起こす』というのは日本語だろうか。【リスク】には様々な定義があり、日本においては【(不利益を被るかもしれない)恐れ】と訳されることが多い。即ちこの記者は「欧州、中国の不良債権問題が顕在化して【不利益を被るかもしれない恐れ】を引き起こせば、、、」と言っているのである。まず日本語的に間違いである。
そしてリスクという言葉の定義にも違和感がある。オイラは『リスク』という言葉は【不確実性】と訳されるべきものであり、経済的にはアップサイドもダウンサイドも含まれる概念と捉えている。この記事において重要ワードとなっている『カウンターパーティーリスク』は経済的なダウンサイドのみにフォーカスする意味合いとなっており、判りやすく説明するには『信用不安』と書き換えるべきだ。

「どちらになるかは、この1週間ほどで明らかになるだろう」
⇒ オマエハ神カ? 近年「不良債権問題」の指摘されてきた欧州銀行、中国金融システムの問題が、英国問題をきっかけに「1週間以内に明らかになる」と言うのか。
文脈が滅茶苦茶なので良心的な目線で評価したとしても、「(欧州、中国の問題とは関係なく)1週間以内に英国問題が金融システム不安に起因する世界危機に突入するか否かが明らかになる」と仰っている訳ですね。その根拠はどこにも書いてないけどね。


  1. 根底にある考え方に違和感
  2. 同紙と記者の立場の違いに違和感
  3. 論が立っていない点に違和感
  4. 日本語に違和感
  5. 結論に違和感

正直申し上げて、もう一度書き直して本意をお伺いしたいものである。

0 件のコメント: