2015年11月15日日曜日

パリの同時多発テロについて

最初に、テロの被害者および関係者の方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、今なおテロの恐怖に直面する方々に1日でも早く穏やかな日常が戻りますことをお祈り申し上げます。

証券時代の独り言の読者の方々はご存じの通り、オイラは『戦争や天災をネタに相場を語るのが好きではない』 人の不幸をネタに相場を語るのはプロの仕事以前に人としてどうかと考えるからだ。

だから今回も、テロをきっかけとした短期的な相場観について語るつもりはない。だけど相場仕事をしていない方に、少しでも相場の常識をご理解いただくために、一般的な考え方を書かせて頂こうと思います。

まず、西側諸国を中心とした資本主義に対するテロ行為が発生した場合、どのような投資行動が起こるか?

基本的には市場性リスクを小さくする方向にポジションを操作します。代表的なものは、


  1. 通貨の自国回帰
  2. 運用のレバレッジ縮小
  3. 株から安全資産(主に国債)への資金移動
  4. 国債の中では、償還までの期間が長い債券から、短い債券に資金移動


こんな感じです。でもこれだけでは実際にどう動くのかよく分からないですよね。ではプレーヤー毎にどう動くのか。代表的なものは、


  1. 短期筋(CTA系ヘッジファンド、ディーラー系)はポジションリスクとレバレッジを同時に縮小。
  2. バンキング勘定はキャピタル狙いのポジションを圧縮(含むヘッジ)
  3. スローマネー(年金などのロングオンリーの投資家)はゆっくりとしたリスクオフ(上記1.3.4を相場の状況を見ながら徐々に実施)
  4. 個人投資家は国によってかなり違う投資行動。近年日本はFXトレーダーが増えているので、プライスアクションによっては、悲しい自動ロスカットに抵触する可能性。
  5. マーケットメイカー(銀行、証券)もリスクテイクに慎重になるので、市場の流動性が著しく低下。相場は上下に振れやすくなる。

じゃ~一体、どう動くのか???と問われると、そんなものはトラブル発生時点のポジション次第としか言いようがない。今回は市場が、①ドル買い、②株買い、③米債売りに傾いていたように思うので、この辺は巻き戻すのかもしれませんね。ユーロ、新興国通貨については最近の下落が、ロング筋の投げ売りによるものだったのか、スペックの仕掛け売りによるものだったのかが分からないので、正直なんとも言えません。


少しエッセンスが伝わったでしょうか?私は小さな情報に惑わされず、いつも通りのことをたんたんとやる予定です。



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