昨日公表されたFOMC議事録は予想外にハト派の内容で、FX市場ではドルが売られ、米債上昇、株式市場にはややサポーティブな展開となっている。
もっとも、そのまんまドル安になる訳でもなく、東京市場は118円台でもみ合う推移となった。
ちょっと前にも書きましたが、当方はまだ、『FRBの年内利上げは難しい』と考えている。中東周辺の地政学問題、欧州問題の解消が難しい中、中国の劇的改善も見込めない状況下、世界経済の米国頼みの構図はより鮮明になっている。
この状況を、『米国がくしゃみをしたら、世界中が風邪をひく状態。』と表現したが、この場合で言うと【くしゃみ】は【利上げ】である。
米国単体で見れば【軽いくしゃみ】でも、体力の弱っている世界経済にばらまかれる雑菌(景気失速要因)の悪影響は無視できないと思う。そして世界経済の失速は巡り巡って、米国にも戻ってくるはずだ。
識者の一部には、『原油の自給自足が可能になりつつある米国にとって、他国経済の失速は大きな問題にならない。』という意見もある。この意見には部分的に同意できる、しかしリスクマネーの流入によりブーストされていた金融市場が、利上げをきっかけに逆回転する可能性もあるのではないだろうか?
今回のケースは2000年8月の日銀のゼロ金利解除前の状況にちょっと似ていると思う。当時の環境を振り替えると、『混乱していた金融市場の状況は改善し、(当時は)異常な金融政策であるゼロ金利政策を有金利に戻すには十分な環境が整っていた。しかし【そごう問題】など、底辺に転がる諸材料が残っており、利上げが出来ない状況に陥っていた。(結局8月に解除するんだけどね)』
さて、、、これはへそ曲がりの相場観ではありますが、年央にかけてどうなることやら?
利上げしたらグローバル株式市場失速シナリオ。利上げしなかったら株はじり高。年初の相場観に近いシナリオをここまでは辿っております。
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