2017年2月1日水曜日

トランプ大統領の言動に対する認知と評価

最近のトランプ大統領に関する報道は、同氏の言動に対する「認知」と「評価」ばかりだ。

「認知」: 生活体が対象についての知識を得ること。また、その過程。知覚だけでなく、推理・判断・記憶などの機能を含み、外界の情報を能動的に収集し処理する過程。 (大辞林第3版より)

「評価」: 物の善悪・美醜などを考え、価値を定めること。  (大辞林第3版より)

同氏の言動は一般的には子供っぽく映る。その中身についても現代国際政治の中では極めて異例なものが多い。だからメディアは「ニュースバリューがある!(≒数字が取れる)」と飛びつく。


子供の戯言を報道する過程を考えてみよう。

「認知」: 
  • けったいな男の子が顔を真っ赤にして言いたい事を言っている。
  • 話の中身は常軌を逸している。
  • ひょっとして彼は〇〇だということを知らないのではないか。
  • ひょっとしては彼は××を実施すると△△になることを理解していないのではないか。

「評価」:
  • あの男の子はダメな子だ。
  • あの男の子はヘンな子だ。

何を当たり前のことを、、、と思うでしょ(笑) でもねこの「認知」と「評価」の大前提を考えてみて。

【「私たち」の認知は「絶対に正しく」、あの男の子の言動は間違っているのではないか】
【「私たち」の評価は「絶対に正しく」、あの男の子はタコチンである】

「私たち(=メディア)」=「絶対に正しい」は現在50%強である。それ以外の人がマジョリティーを取り始めているのである。メディアもこのモメンタムについては、さすがに理解していると思う。それでも「私たちは絶対に正しい」というスタンスを変えないのは、「このモメンタムは続かない」と考えているか、「このモメンタムが続いたら自分達に将来はない」と考えているか、「実は本当に理解していないか」のどれかである。

本日つくばのランチタイム、同僚たちから「トランプの政策が具現化したら日本はどうなるの?」と聞かれた。以下の様に申し上げた。

「日本のみならず米国以外の国は米国対比で、【相対的に成長が鈍化します】。でも長期間続いた世界経済の膨張が生み出した格差が限界に達していることを考えると、こういう形で破壊王が現れることは必要悪なのかもしれません。」

最初はキョトンとしてたけど会話を続けていると「必要悪」の部分が響いたみたいで妙に納得してくれた。日本の報道だけ見ていると「トランプ支持者」の取材は皆無に近いね。そうすると一般的な視聴者は「なぜこの破壊王は君臨できるのか?」という疑問を抱くのでしょう。そういう意味で、オイラの表現に対して理解を示すと共に、モヤモヤした疑問にひとつの解を見出して頂けたのかもしれない。

破壊王は日本の金融政策に対しても文句を言い始めた。先の長い終わりの始まりなのか、ただの駆け引きなのか、本当に思い付きだけなのか。オイラはこのオッサンはただのタコチンではないと思うよ。

レガシーとレガシーが生み出すマネーフローを前提に考えるのも大切だが、いまこの瞬間をゼロの位置でスタートすると仮定した時、認知と評価は変わると思わない?

さっき読みかじったレポートに、「同氏は米国が世界最大の債務国だという事を理解していない」的なことが書いてあった。これは正にレガシーとレガシーフローをベースにしたコメント。でもね、、、彼に借金を返済する気がないとしたら同じコメントが出来るのかな。「この男の子は常識がない」と評価しているのであれば、そういう非常識な発想をベースにシナリオを立てるべき。少なくともリスクシナリオも考えなければいけない人たちはね。

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