2017年1月11日水曜日

横浜Fマリノスの混乱=中村俊輔移籍と社長交代=

横浜Fマリノスが迷走している。

元日本代表DF中澤佑二に年棒50%減提示をし物議を醸しだしたのは記憶に新しいが、それ以降も不穏な出来事が頻発している。

主力のGK榎本哲也、DF小林祐三、MF兵藤慎剛の退団、そして先日とうとう元日本代表MF中村俊輔がジュビロ磐田へ完全移籍。

本日、J1横浜を運営する横浜マリノス株式会社は、臨時株主総会と取締役会を開催し、今月15日付で長谷川亨社長が退任し、日産自動車の古川宏一郎氏を後任とすることを決議。

『なんじゃこりゃ?(By 松田優作←若者は知るまい)』

自動車会社をメインスポンサーとするJクラブが揺れている。

浦和レッズ(三菱自動車)は親会社側のリコール問題で筆頭株主問題(日産自動車がマリノスとレッズの2チームを保有する可能性)に直面(本件はクリア)。

名古屋グランパス(トヨタ)はまさかのJ2降格で主力が大量流出。チーム再興のためにサプライズ就任した小倉監督は経験値が低く成績は低迷し、結局退任。リーグ終盤戦に入り、J1残留救世主としてブラジルから呼び戻した闘利王はリーグ終了で契約満了(更新せず)。

そして横浜Fマリノスでも問題勃発。

自動車会社がスポンサーであることに何か問題があるのか?結論から申し上げて、、、あるのだ。それは典型的な日本型経営という点。

名古屋グランパスの問題が「典型的日本型経営の失敗」とするならば、横浜Fマリノスの失敗は「外資にかぶれた日本企業の失敗」と表現できる。

簡単に説明しよう。

名古屋グランパスでは、成績不振の責任を小倉監督解任という形で片付け、チームへの功労者でありながら一言多い(フロント批判)闘莉王をさっさと解雇。後任監督はカネにものを言わせてフリーになっていた風間監督を採用し、サポーター受けの良い元日本代表FW玉田圭司を獲得。小倉監督には采配の問題もあったけど、監督経験のない小倉を「強いグランパス再建の象徴的存在&サポーター受け」で決定したのはフロント側なんだから、責任を取るのは監督、選手だけじゃないよね。でもいいのです「典型的日本型経営」というのはこういうもんなんです。結果が悪かったら、プレーヤー(この場合は監督&選手)を切って、新しい人を連れてくれば責任を果たしたことになるのです。そして来年もダメだったら、また同じことをやるんです。

横浜Fマリノスの場合はどうなんだ? ここはちょっと複雑でね、「日本企業がグローバル化しようとして外国企業と資本提携したら、本国の黒船が乗り込んできて、話し合いもないまま会社ごと占領されちゃった」という感覚かな。こういうケースって実際に沢山あるよね(笑)

横浜Fマリノスの経緯

2014年 CFG(英国マンチェスターシティの親会社)と資本提携。マリノスの株式20%強取得
2015年 モンバエルツ監督就任
2016年 長谷川亨社長へ交代。編成業務はCFGの意向を強く反映

11月4日  中沢らに年俸半額提示
11月21日 モンバエルツ監督続投発表
 1月8日  中村俊輔磐田移籍発表。年俸8000万円(マリノス提示の4000万円減)


出資比率(推定)は、日産自動車70%、CFG23%、事業会社複数合計7%となっているはずで、本来は日産自動車の意向が強く反映されるはずだ。


退任する長谷川社長(61)は日産自動車の生え抜きだ。人情に厚い人物のようで、中村俊輔はシーズン中から同氏とチーム再建について話し合いの機会を何度ももったという。話し合いの内容は、求心力のないモンバエルツ監督問題であったことが予想される。一方、このモンバエルツ監督は求心力がない代わりにCFGのウケはいい。海外クラブ運営の経験と英語でペラペ~ラと綺麗ごとを伝える点が評価されているのだろう。自分にとって都合の悪いことは報告せず、都合のいいことばかりベラベラと、、、時にはでっち上げもあったんじゃないかな?(多分、中澤はその被害者なんだと思う)

そして新社長の古川宏一郎氏(41)は2004年にノキアからやってきた転職組。前職はEV事業部長というから仕事もできるんだろうけど、社内をうまく泳いできたことが伺える。長谷川社長との違いと言う意味では、生え抜きではなく「言われたことをやるサラリーマン社長」ということだ。

新社長を非難するつもりは一切ない。おそらく日産自動車はマリノスを欧州型ビッグクラブに育てたいと考えているのだろう。しかしこの野望は従来型経営では実現しない。だから準筆頭株主であるCFGに全権委任している。こんなところだろう。。。

日本にそういうクラブが出来るのはサッカーファンにとって夢だ。しかしクラブ運営ってクローン(コピー)で生まれるもんじゃないよね。フロント(経営)、現場(監督、コーチ、選手、支援者)、そしてサポーターが混然一体となって育てていくもんだ。

分かりやすく言うとね、野球の巨人を例えに説明してみよう。(オイラは野球はまったく詳しくないけど)巨人は川上という神様がいて、王&長嶋時代の熱狂があって、哲学みたいなものが生まれたと思う。その後、株主の読売新聞はカネにものを言わせて大型補強の歴史を辿って来たけど、それでもジャイアンツ狂っているでしょ。これは昔の哲学が脈々と受け継がれているから現在があると思うんだよね。

結局マリノスは黄金時代を作れぬまま、レジェンドだった中村俊輔を放出してしまった。そしてフロントの迷走ぶりは残った選手達にも伝わっているはずだ。この代償は高くつくよ。黒船(外資)の手法を取り入れるだけではクラブは育たない。クラブってね、生き物なんだよ。それを分かっていない経営はクラブを保有する資格がないよね。

推測だけで色々書いちゃったけど、間違いがあったらごめんなさい。でもオイラはいちサッカーファンとして、日本サッカー文化の発展を祈っており、それを邪魔する人たちが許せないのです。


トレーダーTへ> これでいいか?

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