まだ完全に落ち着いていないんだけど、ようやくゴールが見え始めたので久しぶりにベンチャーの現状について備忘録的に報告します。
昨年春頃から、検査事業において原因不明のエラーが頻発し、その立て直しに半年近くかかった。
年後半には研究者2名が退職を申し出てきた。うち1名は、ベンチャーの技術の中核をなす人物で困り果てた。
残ったメンバーで退職者のコア技術を引継ぐことを決定し、研究本部長を中心に技術引継ぎに関する委員会を設置。この委員会が順調に走り始めたところで、研究本部長が事故で戦線離脱。現在も病気と格闘しているが、従来と同じ働き方は難しい状況となっている。
たった20名(常勤18名)の会社で、1名戦線離脱、2名退職。これに加え、(これは良い話だが)1名が産休、2名が病気がちでフルタイム勤務ができない状況。突然マンパワーが3分の2になってしまった。おまけに困難なミッションばかり。
若手中心に、「この会社大丈夫か?」という雰囲気になるよね。小さい会社だと、一人ひとりの気分が、会社のムード自体を大きく変えてしまう。これが一番怖かった。だから、とにかく話し合う機会を沢山設けた。
日々の声掛け、帰路(途中まで車で送ってあげる)、たまに個別の飲み会。もともとこういうのは好きな方なのでストレスにはならないが、経営業務に特化することを理由に、フロント業務から離れた矢先の出来事だったので、経営業務はまたたく間にペンディングだらけになった。
経営は、ヒトが動かなければ、ましてヒトがいなければ進まない。だから今回は、経営業務を止めて、社内の復旧に注力してきた。
この困難の中で気づいた。「これを復旧ではなく、新生にしなければいけない。」
去っていくメンバーと同じ機能と背景をもった人材を採用することはできない。だから新しい人材を迎えたチームは、新しいベンチャーになるんだ。
11月後半頃から、これを念仏のように唱え、一緒に戦っていくメンバーに伝え、なんとか新生ベンチャーのグランドデザインが見えてきた。
この間、株主を含むステークホルダーへの説明が大変だった。きっと納得していない人もいると思う。すべての責任はオイラにある。特に外部から見れば、会社の不具合の責任はすべてCEOにある。だから歯を食いしばり、奥歯を折り、不眠不休で走ってきた。
最近、経営室にふらりと遊びに来る(ノンアルビールを飲みに来る)研究者が増えた。従来はまったくなかった現象なので、本当にうれしい。
ステークホルダーの中で一番大切な社員たち。彼らの働く時間が楽しくならなければ、ベンチャーはまた病気にかかってしまう。だから外部のステークホルダーのみなさんには本当に申し訳ないけど、いまは少し多めに見てほしい。かならず新しいベンチャーがフェニックスのように羽ばたいていくことを。
トンネルの先まで、あと2か月程度。ここはふんばりどころだ。やっぞ!!!
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