2025年2月15日土曜日

3日間息を止めていた

ベンチャーは資金繰りとの戦いだ。

うちの場合、2つの事業がローンチされており事業ベースでは黒字化している。しかし企業としての成長ストーリーを実現するには新たな製品開発が必要であり、その開発費用が毎年50M~100M程度かかる。

「ランウェイ」という言葉をご存じだろうか? これは資金繰りが詰まるまでの期間のことを示す。こんな呼び方をし始めたのはここ5年くらいで、オイラはこういうカッコつけた呼び方が大嫌いだ。だから敢えて「資金繰り耐久性」という表現を使っている。

ベンチャーの資金繰り耐久性は今年の9月だ。こう言うと心配される方もいらっしゃるが、うちの場合はすでに2つの事業があることから、この期限が迫ってきた段階で開発をストップするという選択ができる。つまり開発に要する人材、経費を極小化し、本業のみで生計を立てていくという策だ。

もっともこの策を選択するということは成長ストーリーを放棄し、ベンチャーの中小企業化を受入れることになるから、投資家はそっぽを向いてしまう。もちろんオイラ達の夢である、「膠原病の診断難民を救済する」というミッションからも遠ざかってしまうので選択したくはない。

さてと、、、長くなったけどこの3日間何で息を止めていたかというと、資金繰り問題が突然勃発した。

納品済みの大口案件の入金が遅延している。このままだと3月の給与支払いで資金繰りが詰まってしまう。お取引先の事情も絡む話なのでこれ以上は記載しないけど、紆余曲折あって金曜日には解消のめどはたった。

このようなやり取りをしていると自分が情けなくなってくる。おまけにこういうタイミングで初めて面談したベンチャーキャピタルに塩対応されて更に元気がなくなった。

ベンチャーキャピタルの事情は分かるよ。ファンドごとに投資基準、期間、アロケーションも異なるので、目利きするのは大変だ。でもよ、こちらが懇願して面談している訳じゃないんだから、尋問のようなやりとりは人間性を疑うよ。

何度も言うけど膠原病というのは「マーケットが小さい」と勘違いされている。加えて検査事業というのは「投資対象として魅力的でない」と決めつけられている。

米国では真逆の反応。膠原病というのは、近代医学の進歩に取り残された発展途上の疾患領域。おまけに潜在患者は非常に多く、薬や検査方法をこれから開発しなければいけない。

オイラ達はこの社会的な啓蒙も含めて、走り続けなければいけない。これをやるには、アホな金融マンは相手にしてはいけないと思った。できることなら面談の最初に、「あなたのファンドは、究極の選択として儲けと人命のどちらを重視していますか?」と聞いてやりたい。もちろん「人命」と即答するのはサラリーマンとして難しい。しかしその回答の仕方で会社としての姿勢や、その人間の頭の中が良く分かる。こんどやってみよー。

さてと、間もなくJリーグ開幕!!!

少し仕事から離れます。

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