昨日の日経新聞1面で、「政府が2015年度にも、預金保険料を引き下げる方針」と報じた。
ご存じの通り、預金保険制度は、民間金融機関が金融システム維持のために拠出しているものである。具体的にいうと、金融機関の経営破綻時の預金払い戻しに備えて業界で積み立てている基金的なものである。
95年に0.012%から0.084%に引き上げられ、2年前から0.012%をキックバック(1年後)する制度が取り入れられていたが、実質的に0.07%支払わされていたことには変わりがない。
一般的に言うと、この程度の利率は大したことがない、、、と思うかもしれませんが、例えば10兆円の預金を預かっている金融機関は、年間実質70億円拠出する必要がある。
10兆円の預金量と言うのは地銀上位の水準です。70億の収益変動って結構馬鹿にならないんですよ。
逆に言うとね、預金を預かっているだけで、70億円の預金保険料を政府に払って、それ以外に預金者の管理コストだなんだとかかるので、預金業務自体はものすごい不採算業務だったのです。
今回の変更は、「金融システムが安定しているので預金保険料を引き下げる。」という話である。おそらく0.05%程度まで引き下げるのでしょう。業界全体で2000億円程度の経費削減効果があります。
かかし、、、、「浮いたお金を利用者に還元せよ。」というオマケがつくらしい。
ストーリーとしてちょっとおかしくないか?
1、業界の互助会的な位置づけであった預金保険制度。金融システムが安定して、積立残高も2兆円くらいになったので、保険料を下げる。⇒これは納得。
2、このファンドは、「まさかの時に業界で助け合うためのお金。」 しかし預金保険により安心感を得ていたのは、言うまでもなく預金者である。
3、それなのに預金保険料を引き下げて、浮いた経費を利用者に還元せよって、、、ダブルベネフィットじゃない???
もっとも、国際的に金融機関が儲け過ぎ?という見方もあったり、日本の銀行の収益性は低いという意見もあったり?
別の部分でするべき議論はいっぱいあるのですが、今回の決定はちょっと変だなと思いました。
『人のものは俺のもの』 By ジャイアン的な
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