高校時代のバンドのことが急に思い出されて、今更気づいたことがあって、それを忘れないためにメモしておきたい。
オイラは高校時代パンクバンドでドラムを叩いていた。同じ男子校の同級生4人で高校1年生の後半から卒業まで活動していた。Radical Shunkという名前で、遊び仲間の間ではそこそこ名の通ったバンドだった。
ライブをやれば他校(男女問わず)からもお客さんが集まって、終わった後は毎回大宴会だった(時効)。とにかく演っているのが楽しくて、スタジオ練習も、ライブも、4人で演奏しているのが本当に最高の時間だった。
卒業直前にニッポン放送に送ったテープが評価されて、スタジオライブに出て、優勝したらCDデビューという話をもらった。出場バンドとして3つしかリストアップされなかったので、手が届くところまで行っていたのだと思う。
でもこのスタジオライブは辞退した。なぜならベースの奴が脱退しちゃったからだ。
年を取るにつれて、コイツとの関係の理解が深まっている気がする。もう30年会っていないのに、その関係性の意味がどんどん分かってきている。
奴とオイラは親友という関係ではなかった。でも音楽をやるときは二人じゃないと会話が出来なかった。ここでいう会話とは、楽器同士の会話という意味で、オイラ達はこれを心底楽しんでいた。
アイツがこう言ったら(弾いたら)、オイラはこう言う(叩く)。お互いの音は楽器ではなく、会話の一部だった。多分この感覚は、ベース&ドラムの性質上、特に強くなる感覚だったのかもしれない。
卒業以降、何度か代わりのベースを入れてライブをやってみた。明らかにテクニック上の奴もいた。でも興味がなくなっちゃった。つまらないんだ、スタジオでも、ライブでも、まったく面白くなかったんだ。次第に、音楽から疎遠になって、いつしか音楽は聴くものに変わり、しばらく聞くことさえもなくなった。
今思い起こすと、オイラにとってアイツとのやり取りは音楽ではなく、コミュニケーションだったんだ。オイラにも親友がいるけど、そいつとのコミュニケーションとは異なる、別の形の友情だったんだ。
そいつは浪人して、その後音信不通になってしまった。もう30年も会っていない。一緒にいた時間の方が短いのに、アイツに会いたくて仕方ない。とても不思議な感覚だ。出来る事なら、アイツともう一度会話(演奏)してみたい。
オイラ達が、ガチガチとか、バキバキとか、うねるとか、ひずませるとか、パンチとか、アタックとか、裏とか、表とか、頭とか、尻とか、外すとか、突き刺すとか、つぶすとか、硬いとか、柔らかいとか、冷たいとか、温かいとか、もごもごとか、シャリシャリとか、キンキンとか言ってた、あの感覚を、いまだったらどう表現するんだろう。
13年前に仲間が他界した時も結局連絡がつかなかった。家の人には伝えたから、話は届いているんだと思う。でも連絡がないということは、やっぱり会う気がないということなんだろうな。
バンドメンバー、遊び仲間、みんなお前に会いたいと言ってるよ。オイラも池ペンで2時間缶詰練習やりたいよ。ずっと待ってるよ、たぶんオマエとだったら、まだ叩けると思うよ(笑
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