日銀の中曽宏理事は15日、都内で講演・パネルディスカッションなどに参加し、日銀内で議論中の成長基盤強化の取り組みについて、民間金融機関が成長が見込める分野を探して、そこに貸し出しを行い、日銀がそれを促進するようなものになることを明らかにした。
中央銀行が政策金融に踏み出すのか?と、識者からは非難轟々であるが、個人的にはそうでもないと思っている。
最初から脱線して恐縮ですが、1999年に日銀により世界で初めて導入されたゼロ金利政策は、当時の識者から誹謗中傷された。しかしどうだろう?2008年以降、この政策は成功事例として、各国中央銀行で採用されている。加えて、中央銀行のBSを拡大させる量的緩和も同様にトレンドとなっている。
当時、この政策を予想したストラテジストは国内系証券会社のストラテジスト一人だけであった。そして、同氏のみ一定の評価をしていたように記憶するが、それ以外の識者は最初から『効果は限定的』と中傷の嵐であったように記憶する。
今回はどうだろう?同様にほとんどの識者が『追加金融緩和への矛先をずらすための苦肉の策』、『ただの時間稼ぎ』など、誹謗のオンパレードである。
メリットはなんなのか?公的金融機関は、金融機関としてワークしており、自己資本の棄損などにおいてメディアから叩かれる事が多々ある。最近下火になっているが、新銀行東京などはそのいい例である。
しかし現在検討中のスキームであれば、それを気にする必要がない。ようは長期的に、(成長分野への)信用創造機能をサポートし続けるのである。即効性がないのは明らかであるが、中長期的に信用創造機能に時間軸を加えたという発想においては、評価に値すると思っている。
民間銀行は預金超過となっており、このようなサポートは必要はない、、、という論調も多いが、成長分野向けローンを低金利でリファイナンスすることで、再投資による超過リターンを得ることが出来るはず。
自己資本比率との兼ね合いはここでは割愛するとして、民間銀行の収益をサポートするという面においても有効な施策と考えているのは当方だけなのでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿