2008年12月20日土曜日

久々に言いたい放題!

今週初、米国が利下げして、一時的に日米金利が逆転するという10年前では考えられなかった現象が起こった。 

と、、、思ったのはつかの間で、昨日の日銀金融政策決定会合で、日本も利下げ(0.30%→0.10%)。結局日本の方が低い形になったのですが、団栗の背比べです、、、為替はようやくドル売りモードとなり、90円はすっかり戻り売りステージ。

さっき金融政策に関する番組で某教授が『今回の日銀の政策は評価できますか?』と聞かれ『利下げはあまり意味がないと思っていましたが、今回はCP買入オペを採用したので評価出来る。』と言ってました。そしてその後驚愕のコメント、、、

『今後はゼロ金利にするよりも、CP買入なんかを増やして量的緩和を実施すべき』と仰った!!!あのね、、、先生。CP市場はたかだか15兆円ですから、コレ全部買ったら市場として機能しなくなっちゃうのよ。せいぜい2割として3兆円、、、これって量的緩和じゃないでしょ。

まぁ、この先生は、具体的な量について仰っていなかったので、そこは良しとしても、CP買入を増やすというのは、量的緩和の側面はあったとしても、本来評価すべきは信用緩和部分じゃないの?

と、、、不勉強をメディアで喧伝してしまう先生も先生だが、まったく理解もせずに取材してしまうメディアもメディア。見ている人たちが可愛そうです。

今回の金融緩和は事前にリクエストされていたもの全てが盛り込まれた形。国債買入増額&買入対象拡充、CP買入、利下げ。個人的に評価しているのは、国債買入対象拡充です。

流動性の低下及び商品性のまずさから、暴落していた物価連動債や変動利付国債を日銀が定期的に購入してくれる形になったので、胸をなでおろしている銀行は多いはず。

加えて、残存年限別に買入を実施してくれるそうで、(日銀は絶対に認めませんが)国債管理政策のサポートもしっかりとやっている。やっぱり白川総裁は私なんかが予想していたよりも、柔軟な方だったわけですね。

CP買入は買い入れ対象をどこまで広げるかにかかっています。業績悪化著しい、電機、商社、建設、不動産なんかが救われる形にならないとまったく意味がない。

私は10月頃、中小企業への貸し渋りバッシング報道について、苦言を呈しましたが、今でもその考えはまったく変わっていない。与信リスクが上がっている中で、銀行が低金利、無担保で、低格付け企業に融資をする事は株主、預金者への冒涜だと思う。

しかし、上位企業に金を貸さないというのは問題。無担保の長期融資はナンセンスだが、ロール(=借り換えを繰り返し実質的に長期融資になる事)させない事と、与信リスクを勘案した金利を貰う事を条件に、短期融資(はたまたCPを買うのでもいい)を増やしていくべき。とにかく、ここの蛇口を絞ってしまうと、営業性の資金が下請けなどの川下企業に流れなくなってしまうからだ。

中小企業が何故資金不足で困窮しているのか?当たり前の事ですが、景気が悪化して仕事量が減っている+諸々の圧力で利幅が薄くなっている。簡単に言えばこれにつきる。ようは、資金の正確からすれば、『赤字資金』なんですよ。

ここには2種類の輸血が必要で、①業界全体を潤すために、胴元の大企業に資金を供給し、根っこまで営業性資金が染み出していく形を作ること。②川下に資金が染み出していくのには時間がかかるのに加え、景気悪化の震度やその他外部要因によって”どの程度供給すればいいか計測が難しいので”川下に直接融資を入れること。(←保証協会付融資や政府系金融機関の仕事)

ちょっと説明が長くなりましたが、今回のCP買入は上記①をサポートする形になるので、どういった業態のCPを買入れるのが重要になる。具体的な方策は、近々日銀から発表される事になっており内容が楽しみです。

相変わらず脈絡なく書きましたが、米国経済はズルズルを悪化の一途を辿ってますが、株価は景気悪化を事前に織り込んでいたため、予想通り株は下げ渋っている。おまけに原油、、、予想通り暴落しているのはいいのですが、悲観予想の私のレンジ下限をあっという間に突破してしまった。。。これはこれでちょっと問題。

東京金融市場については、まったく悲観してません。政府、日銀が過剰に色々とやってくれるもんで、安心してみております。引き続き、配当のある(比較的安全性の高い)リスク性資産を押し目買い方針。

ドルとユーロを買う気はまったくありません。ほとんど円資産でキープし、外貨は農業の強い資源国通貨を少々ロング。これは世界崩壊シナリオへのヘッジです。

また来週!

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